1208　日米開戦　
　　～　戦争に引きずり込まれた日本　～

１　マッカーサーの証言
昭和26年5月3日、まだ日本がアメリカの占領下だったとき、米国議会上院の軍事外交合同委員会で行われた質疑応答の一部を紹介します。
「日本が抱える八千万人に近い膨大な人口は、四つの島に詰め込まれていたということをご理解いただく必要があります。そのおよそ半分は農業人口であり、残りの半分は工業に従事していました。潜在的に、日本における予備労働力は、量的にも質的にも、私が知る限りどこにも劣らぬ優れたものです。いつの頃からか、彼らは、労働の尊厳と称すべきものを
発見しました。つまり、人間は、何もしないでいるときよりも、働いて何かを作っているときの方が幸せだということを発見したのです。このように膨大な労働能力が存在するということは、彼らには、何か働くための対象が必要なことを意味しました。彼らは、工場を建設し、労働力を抱えていましたが、基本資材を保有していませんでした。日本には、蚕を除いては、国産の資源はほとんど何もありません。彼らには、綿が無く、羊毛が無く、石油製品が無く、スズが無く、ゴムが無く、その他にも多くの資源が欠乏しています。それらすべてのものは、アジア海域に存在していたのです。これらの供給が断たれた場合には、日本では、一千万人から一千二百万人の失業者が生まれるという恐怖感がありました。したがって、彼らが戦争を始めた目的は、主として安全保障上の必要に迫られてのことだったのです。」
誰の証言だと思いますか。
マッカーサーです。

２　ルーズベルトの陰謀
昭和１６年１２月８日、日本がハワイの真珠湾に奇襲攻撃をかけて、日米戦争が始まりました。
開戦の前の年、フランクリン・ルーズベルトが大統領に就任しました。
選挙公約で、「あなたがたの子供たちは、海外のいかなる戦争に送り込まれることもない」と約束していました。欧州での戦争に参戦することに、アメリカ国民の９７％は反対していたからです。
　そのころ、日本とドイツとイタリアの三国は軍事同盟を結んでいました。
昭和１６年６月２２日、独ソ不可侵条約を破って、ドイツがソ連に侵攻しました。
ルーズベルトはソ連と英国を助けるためにドイツと戦いたい。しかし、選挙公約のため参戦できない。そこでアメリカはドイツを挑発する行動にでます。しかし、ヒトラーは、ソ連を征服するまではアメリカとの戦争を避けると決めていたため、挑発にはのりません。
そこで、ルーズベルトは、ドイツと軍事同盟を結んでいる日本に、アメリカを先制攻撃させ、ほどよい被害をあえて被ることで、アメリカ国民を奮い立たすようし向けるのです。日本と戦争状態になれば、日本の同盟国ドイツとも自動的に戦争状態を作れるからです。
昭和１３年の時点で、基礎資源の対米依存度は石油８２％、鉱油５６％になっていた日本をアメリカが追い込むことは簡単でした。
　アメリカは、石油の全面禁輸と日本船舶のパナマ運河通行禁止に踏み切ります。

４　アメリカの戦略
　開戦前、アメリカは、英国海軍からの情報により、日本が真珠湾への奇襲攻撃計画を実行にうつしつつあることを察知していました。大統領は、ハワイを除く前線基地に「ここ数週間以内に日本が攻撃してくる可能性がある」と警告を発します。２日前には、英国海軍本部も「２日後、真珠湾が奇襲攻撃を受ける」ことを伝えてきました。
　アメリカ政府は日本の動きを全て把握していましたが、日本に戦果を挙げさせるため情報封鎖し、ハワイには知らせません。
　そして、日本の真珠湾攻撃が実行に移されました。二千人以上のアメリカ人が死亡しました。
　ハワイ現地責任者のキンメル太平洋艦隊司令長官は「不意打ちを食らった」責任を取らされ解任、予備役に回されました。まさに、敵を欺くには己から、という徹底ぶりでした。
　このようにして、日本は戦略の上でアメリカの思うつぼにはまったのです。
　日米開戦時の外務省は、最後通告の手交を、真珠湾攻撃の３０分前に行う予定でした。準備の不手際で１時間２０分も遅れ、そのために「騙し討ち」との言い分をアメリカ側に与えてしまった、というおまけ付きです。

５　日米の戦力
日米の戦力の差は明らかでした。圧倒的な物量の前に日本の敗戦という形で終わります。しかし、実際の戦闘では、日本軍将兵の戦意の高さ、死を恐れない果敢さ、天皇陛下への忠誠心の高さはアメリカ人の理解を超えていました。アメリカ人は、日本人を心底から恐怖しました。それが、戦時国際法に背き非戦闘員である一般市民への度を超えた攻撃の理由になったと言われています。
東京や大阪など大都市への無差別攻撃は、一般市民の大量殺戮となります。
原子爆弾の効果を検証するため、本来ならば禁止されている広島・長崎へ爆弾を投下しました。